Mr.RobotとBlack Mirrorに見る、IT時代のサイバーサスペンスドラマ
Black Mirrorは、僕の行きつけの美容師に薦められて、Mr.Robotはネットのレビューがきっかけで作品を知りました。
ネタばれはしませんが、インパクトの強さは、Black Mirrorの方が上でしょうか。TVシリーズの名作「トワイライトゾーン」や、日本のTVシリーズ「世にも奇妙な物語」同様の、一話完結のミステリーの定番スタイルでストーリー展開します。netflix予告編ムービーの中でNew Yorker のコピーが、まさに「デジタル時代の『トワイライトゾーン』」となっていました。ドラマ制作は英国です。
Black Mirror
一話完結で、シリーズ4までリリースされています。2011年12月に英国公共放送の一つ、チャンネル4で初放送された、シリーズ1-エピソード1「The National Anthem(国歌)」の、心理スリラーとしての作品の後味の悪さ(称賛を込めて)は、なんとも言えません……。Black Mirrorの一話と知らずに数か月前に観ていました。
また、このシリーズは、近未来をテーマにしたSF作品が多数観られるのも楽しみです。SNSの “いいね!” を風刺する社会を描いた作品や、ドローンをはじめ、ボストン・ダイナミクスの四足歩行ロボットや、最新ITニュースに登場しそうなネタが、随所にリアルに描かれています。
一話完結ですが、一話観だすと、次が観たくなってしまいます。
Mr. Robot
Black Mirrorの一話完結とは違い、Mr. Robotは連続ドラマです。スエットパーカのフード(ハッカーのシンボル)を被って登場する腕の立つ若手プログラマー、エリオットを中心に展開するサイバー・ミステリードラマです。主人公のエリオットは、昼はプログラマー、夜はハッカーという刹那的な日々を送るなかで、徐々に、”E-corp”という巨大IT企業との不可避な戦いへと巻き込まれていきます。
米国で2015年6月からシーズン1(全10話)が終放送され、翌2016年シーズン2(全12話)、2017年秋にはseason 3(全10話)を放送。つまり人気番組です。
Black Mirrorとは異なり、一話毎のインパクトよりも、じっくりと回を追うごとに引き込まれていく内容です。制作は米国です。下の写真は、Mr. Robotの中に登場する国際会議のワンシーンです。この前後で、背中を向けているオバマ元大統領の手前、英国元首相のキャメロン、ロシアのプーチン、ドイツのメルケル、日本の安倍総理が正面を向くシーンが使われています。
サイバーサスペンス、ミステリーなので、後味はさわやかではありません。かなりにシニカルです。でも、私はお薦めです。そして、2016年から始まったColony を観始めて、ある気づきがありました。もう少しまとまったら、また書くつもりです。つまり、そういう時代なのです。
二つを解説しているMIT Technology reviewを見つけたのでリンクを掲載します。「ミスターロボットがハリウッドハッカーを殺した」というタイトルで、1980年代のハリウッドSiFi 映画「ウォーゲーム」と対比させて、インターネットが社会インフラになる前のコンピュータ社会と、現代のサイバーテロが深刻化している今の「時代は変わった」ということでしょうか。
Mr. Robot Killed the Hollywood Hacker
https://www.technologyreview.com/s/603045/mr-robot-killed-the-hollywood-hacker/
Netflix: Black Mirror
https://www.netflix.com/jp-en/title/70264888
USA Network:Mr. Robot
http://www.usanetwork.com/mrrobot
USA Network:Colony
http://www.usanetwork.com/colony