カナダ映画Drone (2017) が、アメリカの代わりに語る近代戦争とテロの闇

2017年6月、私はTwitterで、「ジハード」と「空爆」、どちらも大嫌いだとツイートしました。まさに、そういう内容の映画です。そして、私の推薦映画の一つになりました。

ネタバレはしませんが、この映画の大筋は単純、以下の通りです。

「契約社員の50代の主人公は、IT系エンジニアで米国郊外の自宅に妻と息子の3人で暮らしています。彼のクライアントはCIA。もちろんそのことは家族にも秘密です。CIAの特殊任務の依頼で、米国内の民間施設を改造したオペレーションセンターから、中東地域のドローンを遠隔操作して、ヘッドセットに入ってくるCIAの指令に従い、コンピュータスクリーン上のターゲット(目標地点、人、車など)を、ミサイルで空爆する。ドローンのオペレーションセンターは、主人公の住む米国郊外から車で通える距離にあり、ネクタイ姿で空爆を終えると、家族の待つ郊外の家に戻る日々」、という内容です――。

このページの一番下にリンクしてあるYoutubeの予告編でも、ここまでの内容が、ほぼ紹介されています。

実際に空爆が民間のITエンジニアによって行われているかは定かではありませんが、軍産複合体が民間企業である点は明白な事実です。IT産業とは、、桁の違う戦争ビジネスは、実話を元にした映画「War Dog」にも登場しています。

TVゲームをするように、サラリーマンの9-5時勤務のスタイルで、コンピュータースクリーン上で空爆をして、夜には郊外の家族が待つ自宅で帰る。コンピュータースクリーン上に映っていた人影が、女性であれ、子供であれ、一瞬の爆破とともに、瓦礫と死者の山を作りあげる。誰にでも出来てしまえそうな単純作業。しかし、その本質は殺害行為以外のなにものでもありません。空爆の任務を重ねる毎に、主人公の心に、その思いが深く残ります。

そんな主人公の郊外の自宅に、空爆で妻子を失ったパキスタン人が訪れる――、まさに、スリラー・映画です。

米国映画だと思ってみたら、カナダ映画でした。WikipediaのDrone解説の冒頭にショーン・ビーン主演のカナダ製スリラー映画、とでています。

ショーン・ビーンは、イギリスの渋めの俳優さんで、ロード・オブ・ザ・リングに出ているそうですが、この手の映画をまったく知らないので、私にとっては馴染みのない役者さんです。

Drone Official Trailer #1 (2017) Sean Bean Thriller Movie HD
https://www.youtube.com/watch?v=9UqxCUrT5-Y

2 thoughts on “カナダ映画Drone (2017) が、アメリカの代わりに語る近代戦争とテロの闇”

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

Translate »