フリーWiFiに潜む危険を考える――「ノートンWiFiプライバシー」(VPN)

3月15日(3月16日全国発売に先駆け)、東京・六本木のアークヒルズカフェで「ノートンWiFiプライバシー」製品説明会が、行われました。

ノートンと言えば、元祖アンチ・ウイルス&パソコン・クリーンアップ・ソフトで有名なシマンテック社のブランドです。

そのノートンが、昨年2016年7月にモバイル向けVPNサービスのグローバル展開を開始。今回は、その第2弾。マルチデバイス(Windows、Mac、Android、iPhone、iPad)対応の、パッケージ版VPNの販売を、3月16日から日本でスタートさせます。

ノートンの消費者調査によれば、大多数のユーザーが、フリーWiFiは危険だという認識をもっているそうです(本当かなぁ……)。61%のユーザーが金融情報をオンラインで入力しないと答え、73%が「使っているフリーWiFiが、安全かどうか区別がつかない」というアンケート結果だそうです。(2016 Norton Cybersecurity Insights Report/2016.Nov.)

ノートンの調査は日本ではなく、アメリカか世界調査ではないかと思います。総務省にも2015年3月公開の「公衆無線LAN利用に関する情報セキュリティ意識調査結果」というのがありました。この調査対象は日本人と外国人観光客のようです。調査結果は、「フリーWiFiは危険だと思うけど、対策はしていないという内容です。」

絶対そのまま使ってはいけない、鍵なしフリーWiFi

街中、電車内、カフェなどで、鍵マークのないWiFiスポットを見つけて、ラッキー!と思ったことはありませんか。(私はあります。)でもそれは、ハッカーが仕掛けた偽のWiFiスポットかもしれません。

説明会で、一番時間を使い説明してくれていたのは、フリーWiFiの危険性についてでした。観光立国ニッポン、2020オリンピックに向けて、おもてなしサービスとしてのフリーWiFiスポットの提供は今後も拡大する傾向にあります。不特定多数にID(SSID=Service Set Identifier)とパスワードが公開されている公衆WiFi自体、すくなくとも通信を傍受される危険があり、そのパスワード設定すら、していないWiFiはもっと危険であるということです。

2017年3月現在、コンビニやコーヒー店などで提供しているフリーWiFiの割と多くが(ログインパスワード設定などの店舗スタッフによる顧客対応作業を省くために、登録時にメールアドレスの入力を求めるくらいで)、使用時のパスワード設定を省略しているケースがあります。

ただし、そのパスワード入力のいらないフリーWiFiスポット、本当にお店のものでしょうか。お店の名前に似せたID、たとえば、Cafe〇〇など、なりすましWiFiスポットかもしれません。

『邪悪な双子』などと呼ばれる、なりすましWiFiスポットにアクセスすれば、通信データは丸見えとなり、IDやパスワードを抜き取られる危険性があります。鍵マークのないWiFiスポットを使う場合は、最低限、そのお店のIDか確認して、その上で、セキュリティ対策をしてから利用する以外に防衛策はありません。なにも確かめずに、鍵マークのないフリーWiFiスポットを利用するのは、ラッキーではなく、アンラッキーの始まりです。

実際に、正規店舗のWiFiスポットサイトでは、セキュリティの注意喚起を行っています。

at_STARBUCKS_Wi2
http://starbucks.wi2.co.jp/pc/security_jp.html

WiFiの危険からコンピュータのセキュリティを高めるVPN

「ノートンWiFiプライバシー」は、VPNという通信技術を使って、WiFiインターネット接続のセキュリティを高めてくれるアプリのことです。

VPNとは、仮想プライベートネットワーク(Vertual Private Network)のこと。「公衆回線を使いながら(ノートンの場合)銀行レベルの暗号化技術で、専用回線のような安全な通信環境を提供してくれる通信技術」のことです。VPNを使えば、フリーWiFi接続中でも、通信内容が外部からは暗号化されているので見えなくなります。(あくまで、シマンテックや、一般のネット情報で書かれているVPNに関する情報です。)

アプリの操作性は簡単。インストール時に一度パスワードを設定しておけば、次回からは、ワンタップでVPNを使えるようになります。

さらに、ノートンVPNは、検索エンジンにも、接続ISP(通信業者)にも、利用者の閲覧履歴や位置情報を渡さない、匿名性が保証されます。(Trust Providers:  匿名性は、ほとんどのVPNサービス提供者の謳い文句になっています。)

また、「ノートンWiFiプライバシー」はネットの閲覧履歴を利用して表示される、お勧め広告をブロックする機能がセットされています。(この効果は、誰にでもわかると思います。ただし、広告がブロックされると、コンテンツを非表示にするサイトも多くあります。広告掲載費用でサイトを運営していると主張するところも少なくありません。その場合、コンテンツを見たければ、『広告ブロック機能を一時的に解除してください』と、ノートンの広告ブロックにも、注意書きがあります……。)

今、世界中にあるネットワーク社会の危機

WiFi電波が、コメディのネタになるほど、あらゆるモノが、インターネットに接続する時代。フリーWiFiの危険性と合わせて、インターネット接続によるプライバシー(個人監視)の問題も考えなければならない時代だと思います。

コンピュータのような双方向通信を行っている以上、絶対に安全な通信などはないということも、忘れてはいけないと思います。人から情報がリークする可能性とソフトウェアのセキュリティホールは、未来永劫なくならないでしょう。

アメリカのドキュメンタリー映画と言われる「Zero Days」によれば、インターネット接続されていないスタンドアローン・システムも、巧みなソーシャルエンジニアリング等等の結果、「内部技術者のUSBメモリーからワーム感染させられた」ということです。

アンチウイルスソフトやVPNは、あくまでも通信セキュリティの強化策です。それすらも利用しないでフリーWiFiに接続する危険性は忘れないでほしいと思います。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

iPhoneにインストールされたノートWiFiプライバシーの画面。左(上):広告ブロック機能、右(下):VPNオンの状態。
(表示はiOS側の英語モード設定のため、英語表示になっています。)

 

「ノートンWiFiプライバシー」主要機能

  • 銀行レベルのデータ暗号化
  • 匿名での閲覧
  • ログ未取得のポリシー
  • ワンタッチ操作
  • 広告追跡を削除
  • OpenVPN上で動作するプロキシネットワークプロバイダによる安全性とプライバシー確保
  • 世界中からアクセス可能
  • 60日間返金保証

参考:
平成27年3月16日
総務省「公衆無線LAN利用に関する情報セキュリティ意識調査結果」
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01ryutsu03_02000091.html

To be continued..,

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